父と娘の中学受験

子供と二人三脚で頑張る中学受験の記録です。

戦いの顛末

2月5日

第4志望校の合格しか手にしていないまま、この日を迎えていた。

1日から5日まで6回試験を受け、合格はたった1つ。今日は7回目の試験だ。

朝からミゾレが降っていてとても寒く、午後から雪の予報だった。東京と神奈川の試験は5日が実質的に受験最終日であり、受験生達は皆とても疲れているように見えた。

娘は今日が、どんな結果であれ中学受験最終試験日であること、この長い中学受験期間がやっと終わることが分かっているからか、朝から表情は明るかった。最終日まで受験を続けたその栄誉を讃えたい。

この数日間、不合格という結果を何回も目にした。娘は試験中の手応えで大体結果が分かるようで、不合格を伝えても意外にも反応は薄かったが、親の私は内心とても焦っていて、精神的にとても堪えていた。

まだ12歳の子供に不合格を何度も経験させてしまった。本人は、2月の試験に全落ちしたら、1月の前受け校へ入学すると言い(前受け校は家から遠いが、電車を沢山乗り継ぐ必要がないので、比較的行きやすい)本人が納得ならそれでも良い、とその時は思っていた。しかし何日間も連続して、不合格の文字を見ること、自分の番号が載っていない合格発表の画面を見るのは、家族も辛く、皆なんとか空元気で家庭内を明るくしていた。本人はとても辛かっただろう。落ち込んでいるだろう。しかし、親や兄弟にはそれを見せないよう、彼女なりに気丈に振る舞っているように見えた。

 

想像していたよりもはるかに合格が難しいこと、結果が出ないことに動揺し、12歳の試験の難しさを痛感した。どれだけ合格可能性が高くても80%の設定なのは、残り20%は当日のコンディションでいかようにも変わるからなのだろう。

 

ここに、四谷大塚の合不合判定テスト、80%合格ライン偏差値と、6年の合不合判定テスト6回分の娘の合格可能性を記す。

第1志望校 69 65% 80% 70% 20% 55% 80%

第2志望校 67 80% 80% 80% 30% 70% 80%

第3志望校※ 69 80% 80% 40% 20% 35% 75%

第4志望校 68 80% 80% 80% 20% 55% 80%

※算数、理科の2科目判定

 

夏休み以降の模試4回分の合格可能性を足して、200%を超えることが受験校選びの一つの目安。と聞いていた。

第1 225% 第2 260% 第3 170% 第4 235%

第3志望を除き、十分狙える範囲だと思っていたのだが、戦績は2/5の時点で

第1×××、第2×、第3×、第4◯

この結果から、足して200%が安全なのではなく、一度でも低い合格可能性を取る学校に安全などない、と考え改めた。

 

第4志望校しか合格をもらえずにいたので、第4志望校に入学する腹を括っていた。

合格は「うちの学校に来て下さい」と言ってもらえているような気持ちになる反面、1度でも不合格だと入学への気持ちが萎えてしまう。初めて、そんな感覚を覚えていた。これは娘も同じだろう。

これだけ不合格が続いていて、それでも頑張れとは口が裂けても言えず、これまで精一杯頑張っていて今もなお頑張っている娘を思い、私は中学受験勉強を始めた3年間で初めて涙が出た。(妻と弟は号泣)

受験期間中、毎日色んな声がけをしていたが、正解は最後の最後まで分からなかった。

 

娘は、2/1から2/4まで毎日試験後、塾に行った。問題を持ち帰れる学校は持ち帰った問題で、持ち帰れない学校は四谷大塚の過去問データベースで、先生と共に解き直しをした。

どの学校も、得意な算数で難易度の高い問題が出てしまい、本人が動揺して思うように解けない。平均点が低いので、算数で点数を稼ぎたい娘には不利な状況が続いていた。逆に、不得意な理科が今回たまたまどの受験でも易化傾向にあり、高得点勝負となることも辛かった要因の一つ。本人の再現解答では、社会はよくできていた。国語は難易度の高い論説文が普段よりも読めていないこと(国語から試験が始まる受験校が多かったためか…)、塾でも家庭でも、何度も練習した記述は本番もイマイチな出来であった。

 

どうか娘の頑張りを認めてくれる学校がありますように。

第一志望校の最後の試験で、娘にはこのように伝えていた。

「最後は気持ちが強い方が勝つ。それで10点も20点も変わることがある。自分がこの学校に行くんだ、そのためにこれまで頑張ってきたんだ、としっかり自信を持って。1点で明暗が分かれてしまうから、1点でも多く点数を取ること。緊張したら、これまでの模試と同じで、目の前にある問題を解くことだけに集中して。挫けそうになったら、応援してくれる人の笑顔を思い浮かべて。その人達が必ず力をくれるから。最後の1秒まで絶対に諦めないで問題を解くこと、これだけは約束してほしい。」

 

 

そして、その時は訪れる。

2/5の12時過ぎ、第1志望校から繰上げ合格の連絡をいただく。

 

最終日に受験していた第2志望校も合格していたので、最終戦績は

第1志望◯、第2志望◯、第3志望×、第4志望◯

娘は3つの学校から『合格』をいただくことができた。

 

長く長く、時に険しく、しかしそれ以上に、とても有意義で楽しい、娘の中学受験の全てが終了した。